上高地&穂高連峰・花無し紀行
(1992/07/24〜28) |
1990年以降、夏場は毎回、山仲間達と一緒に遠出をしております。三回目の1992年は北アルプスの南部、上高地と穂高連峰まで行きました。一昨年は白馬岳、去年は大雪山と花の名山が続いてますが、この年、登った穂高連峰には、花はあまりありませんでした。かわりにあったのは、
岩と雪。特に岩の凄さと来たら・・・(^^;)でした。
この一連の遠征は当初、高山植物を愛でることを主目的として始まったようですが、メンバーの中に若くて植物に詳しい人が居なかったこともあり、たまたま私にお誘いが掛かりました(要するに「植物の名前教え係」兼「荷物担ぎ要員」として)。
この仲間達の平均年齢は五十代後半。当時の私とは二十以上も年が離れ、親父おふくろと一緒に登るようなものでしたが、それはそれで結構楽しかったです。彼らと一緒にいろいろな処を巡っているうちに、例えば富良野、美瑛の丘風景や山そのものの姿など、花以外の風物にも目を向ける(写真に撮る)ようになりました。
穂高連峰では花にはほとんど恵まれませんでしたが、個人的には後悔はしておりません。何故ならその山岳風景は今まで行った山の中では最高、日本国内でも最も見応えのある風景ではなかろうかと私は思ってます。
しかし・・・(^o^;)しかしですよ。穂高は実にしんどい山でした。他の山なら、また機会を見て、もう一度、処によっては何度でも行きたいと思うものなのですが、穂高だけは・・・(^o^;)もうたくさん。特に涸沢岳の絶壁や吊尾根のナイフの刃をつたうような体験は・・・ああ・・・思い出すだけでも・・・(^^;)を通り越し、ブルブル{{(>_<)}}なのです。実は私、高所恐怖症。それ故、飛行機に乗るのも大嫌い・・・。
まあこう言った個人的な話はさておき、近頃、過去に写したリバーサルフィルムの劣化がそろそろ始まっております。なんか勿体無いので、今年の冬から少しずつですが、デジタル画像への変換、保存作業を開始しました。最近、「裏庭」と称して、にわかに十年も前の山歩きや野草の写真をアップし出したのは、このような背景もあるのです。
右上写真: 92/07/28 梓川と穂高連峰
1992年の7月24日、長年の憧れだった上高地に初めて私は踏み入りました。東京や名古屋にお住まいの方々でしたら、その気になれば、すぐ行ける裏庭のような処かもしれませんが、秋田から行くとなりますと・・・(^^;)ほんと不便な場所です。寝台で富山まで行き、糸魚川まで戻って、大糸線を乗り継ぎ、松本から電車、バス・・・といったい何回、乗り物を換えたことでしょう。例によってほとんど寝てないのですが、車窓に迫り来る山々の迫力は眠気を吹き飛ばすのに十分でした。おどろおどろしい釜トンネルをくぐり、ちょっと走ったら、目の前がパーッと開け出しました。
こんな山奥なのに何故こんなに広い平地があるのだろうか。これが私の上高地の第一印象。初めて見る穂高は薄もやを身に纏っていたせいか、思った以上に遠くにあるように感じました。
上高地の標高は河童橋のある辺りで約1500m。東北ならば立派に高山の花が咲いている高度ですが、ここ中部日本では山地帯と亜高山帯との境目付近に相当するようです。廻りにはいつも見慣れたブナやスギの姿はなく、一発で名の特定出来ない落葉広葉樹やクリスマスツリーをでかくしたような形のいい針葉樹ばかり。
先に穂高は花はほとんど無いと申し上げましたが、こと上高地に関して言えば、花はたいへん豊富です。
河童橋の辺りの人気の多い場所でも朱赤のクリンソウがひっそりと咲いておりました。ちょっと歩くと、紅紫の提灯を竿灯のようにいっぱい下げた変な花に出会いました。ヤマホタルブクロです。こちらは秋田に無い種類なので、私には珍しく感じたのですが、皆さんはどうですか。
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ヤマホタルブクロ
Campanula punctata var. hondoensis |
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明神岳と前穂高岳(3090m) |
薄暗い林の下にもいろんな植物がありました。ここに咲くカラマツソウは丈が1m以上もあり、花付きもよく、とても立派でした(園芸植物としても十分通用しそう)。後で調べたら、マンセンカラマツ Tharictrum aquilegifolium var. sibiricum という別の種類だと分かりました。「マンセン」とは満鮮と書き、満州と朝鮮を意味します。向こうにも分布しているものと推察されます。
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| センジュガンピ Lychnis gracillima |
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オオウバユリ(左)とマンセンカラマツ |
| オオウバユリ Cardiocrinum cordatum var. glehnii |
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クルマバツクバネソウ Paris verticillata |
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あと写真は省略しますが、サワギクやダイコンソウ、キバナヤマオダマキ、クワガタソウ、ゲンノショウコ(紅花)なども咲いてました。いずれも秋田ではほとんど乃至は全く見かけない代物ばかりですが、ここ上高地ではうじゃうじゃ。時間があれば、もっともっといろんな花に会えたでしょうが、日もだいぶ傾いて来ました。今晩の宿、横尾山荘に急ぎます。
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徳沢付近から梓川上流を望む。奥のゆったりした山は大天井岳(2922m)、
手前のピラミッド型は中山(2492m)。 |