3.高嶺の花達

続いて、ご紹介の三種類、エゾツツジ、イワブクロ、コマクサですが、個人的にはちょっと懐かしい花達です。いずれも私の故郷の秋田駒ケ岳でよく見かけるせいでしょう。
エゾツツジは、とても鮮やかな色の花です。蕾の時期は丸みがあって、ちょっと迷ってしまいますが、咲き出すとやはりツツジです。本州では、岩手山や八幡平の一部にもありますが、量的には秋田駒がトップ、そのすぐ南の和賀山塊が南限と言われます。ひょうきんなキャラクター、イワブクロは鳥海山が南限です。イワブクロ、コマクサは先のミネズオウ同様、東北のものより色が濃いように感じました。

エゾツツジ Therorhodion camtschaticum とイワブクロ マクサ Dicentra peregrina
キバナシオガマ Pedicularis oederi イワブクロ Pennellianthus frutescens

キバナシオガマは北半球の極地や高山に広く分布する植物ですが、国内ではここ大雪山だけと聞きます。丈は10センチ程度と思ったより小さかったのですが、近づいてみるとなかなか風格があります。
北海岳から間宮岳にかけての砂漠のような礫地にはタカネスミレの仲間が群生してました。エゾタカネスミレ Viola crassa ssp. borealis var.borealis は、秋田駒のタカネスミレ V. crassa ssp. crassa 、北アルプスのクモマスミレ V. crassa ssp. borealis var. alpicocola などに近縁です。

エゾタカネスミレ エゾイワツメクサ Sterllaria pterosperma 大雪山の固有種です。
近縁のイワツメク Sterllaria nipponica は本州中部山岳に広く分布します。
ミヤマタネツケバナ Cardamine nipponica
穂高岳の岩場でもよく見かけました。東北では私はまだ見たことがありません。

サキシフラガ Saxifraga(ユキノシタ科ユキノシタ属)仲間には、いかにも高山植物といった風情の花が多くあります。北アルプスではクモマグサ S. merkii var. idsuroei、シコタンソウ S. bronchialis ssp. funstonii var. rebunshirensis などが一般的でしたが、ここではチシマクモマグサ S. merkii 、クモマユキノシタ S. laciniata に出会いました。どちらも雪消えの遅い礫地にひっそりと生えてましたが、これだけの株になるまでにはいったい何年掛かっているのでしょう。不用意に踏み潰したりしないように気をつけたいものです。

チシマクモマグサ クモマユキノシタ

最後に4.カシミール♪が聴こえる